材料の証明書
ミルシート、材料成績表などの信頼性について。
1.証明書の種類と内容
材料成績表:ミルシート(MILL SHEET)や鋼材検査証明書などと言う場合がある。
ミルシート(MILL SHEET):証明書番号、化学成分、規格名称、炉番、納入状態など記載してある紙
鋼材検査証明書:製作番号、溶融番号、施工方法、規格名称、化学成分など記載してある紙
熱処理成績表:熱処理後の表面硬さ、熱処理内容などが記載して有ります。
材料の証明書が必要な時は、「ミルシート」と言えば、もらえます。
熱処理屋さんで熱処理した時は、熱処理成績表をもらいましょう。
2.どんぶりとテンプラ
ミルシートを依頼する時やもらう時に、「どんぶりやテンプラ」と言われたこと有りませんか?
「どんぶりやテンプラ」は、あてにならない事を示します。
「どんぶりやテンプラ」のミルシートは、結果的にミルシートと材料が一致しない場合があります。
物と一致しないミルシートは出したくないですが、ミルシートを請求さえた時に、「どんぶりやテンプラ」と言うようです。
ミルシートが必要な材料は、最初に条件を明確にしましょう。後からミルシートを請求しても、後の祭りです。
3.トレーサビリティーの材料
トレーサビリティーが厳しい材料は、航空、宇宙、原子力、発電所などです。
航空、宇宙、原子力、発電所など、事故が発生すると人命や環境に多大災害になります。
この様な用途に使用される材料は、トレーサビリティーが高いです。
トレーサビリティーの書類に材料が付いているような感じです。
値段は別世界です。証明書のボリュームも別世界です。取引条件も別世界です。
航空、宇宙、原子力、発電所などの重要な部分の材料は、別世界の材料屋を探してください。
4.物と一致するか
ミスは、必ず発生するので、信頼性100%の材料証明書は、ない。
材料証明書の信頼性が高い材料(信頼度:80%)
・1ロットの注文材料:紐付きといわれる注文生産の材料です。トンから何十トン単位です。
・メーカーで結束した材料の束:結束時に荷札が付きます。この荷札の炉番やロット番号からミルシートの確認が出来ます。
・構造用鋼の丸棒定尺1本:端面にラベルが付いてます。このラベル記載の炉番やロット番号からミルシートの確認が出来ます。
・工具鋼の平角丸棒定尺1本:端面にラベルが付いてます。このラベル記載の炉番やロット番号からミルシートの確認が出来ます。
材料証明書の信頼性が中くらい材料(信頼度:50%)
・ロット番号で管理している定尺と切断材料
・ミルシートと物が一致するように手配した材料
材料証明書の信頼性が低い材料(信頼度:15%)
・ラベルが剥がれた材料
・ミルシート付で注文しない材料
・ロット番号で管理してない定尺と切断材料
・値段で勝負している材料
5.最後は材料屋との信頼関係
最後は材料屋を信用できるか、信用できないかに行き着きます。
また、材料屋はお客を信頼できるか、信頼できないかになります。
義理人情が嫌われますが、義理人情がなくなると信頼関係は築けません。
材料屋と対立関係になるより、友好関係で進めた方が、上手く物事が進みます。