RC55とCX-1のインパクト
CX-1の話更新停止から2年半、再度動き出します。
1.大同特殊鋼CX-1の狙い
CX-1の発売当初、切削できる工具がない状況でした。今までHRC50の材料が少ない状況では、切削工具がないのも当然です。
それでも大同特殊鋼は発売しました。なぜでしょう。
発売の目的は、話題性を狙ったのでしょうか。冷間プレス金型の分岐点を狙ったのでしょうか。それとも、有望な金型屋さんを捜索するための道具だったのだろうか。今後、金型使用硬度で切削する方向なのだろうか。
いまだ、自分の中で結論が出ていません。
2.日本高周波鋼業RC55の衝撃
2001年1月12日、新春早々の日刊工業新聞に、日本高周波鋼業RC55という材料紹介が掲載された。
日本高周波鋼業の次は、日立金属のPRE2でした。
大同特殊鋼がHRC50なら、日本高周波鋼業と日立金属はHRC55だ!!
硬い材料が世の中に流通するのかと感じました。
大同特殊鋼CX-1の発売によって、日本高周波鋼業と日立金属も登場した感覚です。
もし、話題性を狙ったとすれば、大同特殊鋼の大成功です。
3.RC55とCX-1の類似性と違い
手元のCX-1とRC55のカタログを見比べると、どちらもバーナーであぶると、HRC65程度に硬くなるようです。
材料の成分が似通っているんだろうか。
そもそも鉄に炭素とクロムとニッケルとマンガン等を添加して、なまくらから鋼にしているので、それほど変わり様がないのかもしれない。
鋼材の成分よりは、製造技術と品質管理が、特殊鋼メーカーの生命線だろうか。
違いは、硬さだけかしら?
大同特殊鋼CX-1がHRC50、日本高周波鋼業RC55がHRC55このくらいでしょうか。
このHRC5の違いが、あっちこっちで影響するようです。
HRC50の使い道と、HRC55の使い道を理解している金型屋さんは、区別して使用します。
4.金型屋
RC55とCX-1を使用して、金型の差別化で生き抜こうという金型屋さんは、どのくらいいるのだろうか。
このごろ、値段値段で、つらい世の中です。昔がばかげていたのだろうか。
現在は、金型屋の技術を評価してもらえない状況でしょうか。
RC55とCX-1は、金型屋に挑戦しているような材料です。
切削が可能な金型屋さんが使用すれば、メリットが有ります。しかし、金型単独の会社では、メリットが薄いです。金型製造部門とこの金型を使用する製品部門がある会社に製品の納入時間というメリットが有ります。
RC55とCX-1に挑戦しませんか?
5.材料屋
HRC50とHRC55の流通状況はRC55とCX-1だけで、6面フライスの特注プレートで販売しています。
特注プレートは、特定の製造メーカーしか対応できない状況です。既製品プレートは存在しません。
当店に出来る事は、スムーズに取寄せする程度です。
6.加工の可能性
現在の工具では、穴はドリルで開き、タップもコーティングハイスでタップが切れ、エンドミルも問題なく切削している金型屋さんがあります。切削の条件を決めるのが難しいようですが。
7.材料の手配
ただ今、入手困難な材料です。問合せが有れば、探します。