G-STARはジェネラル-スターって知ってる?
「G-STARはジェネラル-スターって知ってる?」について、考えます。
カタログに(GENERAL-STAR)とわざわざ書いてあります。何か大同特殊鋼の願いが込められているのかも知れません。
このページは大同特殊鋼の「技術資料 No.SD9712、大同の耐食プラスチック型用鋼STARシリーズ G-STAR」を元に作成しました。
確実な情報が必要なときには、大同特殊鋼の最新カタログを取寄せてください。
1. 特徴
(1)優れた耐食性(マルテンサイト系ステンレス鋼)
(2)優れた被削性:快削ステンレス鋼
(3)納入硬さ35HRCでそのまま使用可能
(4)焼入焼戻しにより高硬度化:48HRC(1030℃焼入れ)
2. 用途
(1)光ディスク用母型
(2)耐食性要求の受板、取付板
(3)錆をきらう冷却水孔のある受板
(4)Cr-メッキ型からの切換型
(5)NAK,PX5の耐食性要求のキャビ型
3. 納入状態と化学成分
大同記号 :G-STAR
納入状態 :プリハードン33~37HRC
化学成分% :0.35C-0.1S-16Cr-1Mo
4. 素材形状
素材:黒皮平板のみ確認
プレート:不明
5. G-STARの位置付け
プリハードン状態(35HRC):#3000程度
焼入焼戻し状態(48HRC):#5000程度
6. 耐食性
NAK55やPX5で耐食性の問題が有るときに、おすすめです。
鋼種 | 1%HCl,24h室温 | 1%HN03,24h室温 | 蒸留水,24h室温 | 塩水噴,48h |
G-STAR | 15.6g/m2h | 9.2g/m2h | 0 g/m2h | C |
NAK55 | - | 18.2 | 0.01 | D |
PX5 | - | 16.2 | 0.01 | D |
S-STAR | 17.3 | 1.7 | 0 | B |
市販品 | 59.7 | 8.4 | 0 | C |
塩水噴霧試験結果(48h後の試験片観察結果)
G-STARが錆びにくい(耐食性が高い)ようです。それにしても、NAK55の錆ぐあい、見事です。実際に見てみたいものです。
市販品て、何でしょうか。SUS420でしょうか?
7. 焼入れ焼戻し
硬さは最高48HRC(1030℃焼入れ)が得られます。
焼入れ:1030℃、空冷あるいはガス冷
焼戻し :200~400℃ (変寸重視)、490~510℃ (放電加工割れ対応)
8. 放電加工性
加工能率はNA K55と同等ですが、加工面にはヘアラインが残存しま
すので、そのままでの使用はできません。
9. 機械的特性
– | 硬さ(HRC) | 硬さ(HRC) |
– | 35 | 49 |
引張強さ(N/m㎡) | 1060 | 1650 |
0.2%耐カ(N/m㎡) | 855 | 1285 |
伸 び(%) | 16 | 7 |
絞 り(%) | 35 | 5 |
衝撃値2uE20℃(J/c㎡) | 11 | 5 |
*試験片は155x610S素材より切り出し
10. 溶接
溶接棒(TlG) :AWS ER420(J1S SUS420J2)
予 熱 :200~250℃
後 熱 :プリハードン状態 650℃、焼入・焼もどし状態 510℃(放電加工割れ対応)、焼入・焼もどし状態 250℃(変寸重視)