アルミ板の平坦度、平面度 反り返り具合 高精度圧延材と一般材
1.平坦度って何?
対象物の反り・平坦度を測定する際は、はじめにその定義を決める必要があります。
ここでは、反り・平坦度測定の指標となる「平面度」の定義について説明します。
平面度の定義
JISでは、「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」と定義されています。平面で挟んだときに、0.1mmの幅があったならば、平面度は0.1mmとなります。
https://www.keyence.co.jp/ss/measure/hakaritai/measuring/warpage/より
反り、平坦度、平面度、どんだけ平の数値です。
2.アルミ板の状況
通常の冷間圧延材の平坦度は不明です。 ⇒ 削ってくださいって感じです。
平坦度が出てくるのは、高規格板になる。 ⇒ 高精度圧延材とか、ハイスペックなどのアルミ板です。
3.高精度圧延材の板厚公差と平坦度の例
板厚6mmの 板厚公差 |
板厚6mmの 平坦度 |
板厚20mmの 板厚公差 |
板厚20mmの 平坦度 |
板厚50mmの 板厚公差 |
板厚50mmの 平坦度 |
|
A5052 | +-0.08mm | 0.4mm | +-0.2mm | 0.4mm | +-0.5mm | 0.4mm |
A5083 | +-0.12mm | 0.4mm | +-0.3mm | 0.4mm | +-0.5mm | 0.4mm |
A6061 | +-0.13mm | 1.5mm | +-0.4mm | 2mm | +-0.65mm | 2mm |
A2017 | +-0.13mm | 1.5mm | +-0.4mm | 2mm | +-0.65mm | 2mm |
板厚精度は材質によってそれほど変わらない。こんな感じって、感じ。
平坦度は、(A5052、A5083)と、(A6061,A2017)に分かれる。この違いは、熱処理で硬くする関係だ。
この平坦度は、1000mm×1000mm内の数値です。
4.なぜ平坦度が問題なの?
6Fしないで、切断面を高精度切断して、そのまま使うために、平坦度が問題になったようです。
平坦度が問題ならA5052かA5083の高精度圧延材、ハイスペックになる。
A6061やA2017で平坦度が問題なら、6Fになる。
5.記号訂正
A5058と記載していましたが、間違いで、A5083でした。訂正しました。2019年8月28日
6.A2017で平面度の例
一般的なA2017の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:2.5mm程度(不明)
ハイスペックA2017の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:1.5mm以内
YH17の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.75mm以内
A2017で平面度が重要なら、アルミYH17板 販売規格 – 金属材料販売の山洞金物店 (sandoh.net)へ
7.A5052で平面度の例
一般的なA5052の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.4mm以内
YH52の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.2mm以内
A5052で平面度が重要なら、アルミYH52板 販売規格 – 金属材料販売の山洞金物店 (sandoh.net)へ。
8.A5083で平面度の例
一般的なA5083の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:2.6mm程度(不明)
ハイスペックA5083の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.4mm以内
A5083で平面度が重要なら、アルミA5083板 販売規格 – 金属材料販売の山洞金物店 (sandoh.net)へ
9.A6061で平面度の例
一般的なA6061の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:2.5mm程度(不明)
ハイスペックA6061の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:1.5mm以内
YH61の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.5mm以内
A6061で平面度が重要なら、アルミYH61板 販売規格 – 金属材料販売の山洞金物店 (sandoh.net)へ
10.A7075で平面度の例
一般的なA7075の板厚11mm×1000mm×1000mmの平坦度:2.5mm程度(不明)
YH75の板厚10mm×1000mm×1000mmの平坦度:0.75mm以内
A7075で平面度が重要なら、アルミYH75板 販売規格 – 金属材料販売の山洞金物店 (sandoh.net)へ
11.平面度が問題なら
表面切削しないで平面度を問題にするなら、最初から平面度を条件に入れましょう。最後になって、「平面度が問題」となっても、対応不可になる。