アルミ板と丸棒説明(A1050、A5052、A5056、A6061、A6063、A2017、A2011、A2024、A7075、アルミーゴHard)
純チタン、チタン合金も有りますが、とりあえず軽さといえばアルミです。
アルミの選択方法を中心に説明します。
1.アルミの種類
A1000系がアルミです。他はアルミ合金です。
しかし、通常アルミと注文すると、アルミ合金A5052かA5056が届きます。
A1000系は用途が少ないのでしょうか。
純アルミ1050(A1050) | アルミ99%以上の材料です。たたいて、形にしたい時に良いでしょうか。薄い板が中心です。丸棒はマイナーです。A1070引抜丸管 純アルミ薄板の切板 アルミA1050の調質とサイズ アルミA1100の調質とサイズ |
耐食アルミ5052と5056(A5052とA5056) | アルミは白く錆びます。A5000系は多少錆びにくい材料です。でも、錆びます。使用する時には、クリアラッカーを塗るか、アルマイト処理が必要です。丸は、5056で、板は5052で注文しましょう。A5056押出丸パイプ A5052引抜丸パイプ アルミA5052丸パイプ アルミ板YH52 KN500に付いて KN520に付いて KN700に付いて |
アルミ2017(A2017) | 見るからに、たたいても、硬いアルミです。ある程度硬い方が、切削性が良いです。A2017押出丸パイプ アルミ板YH17 YH17スーパー切板 ジュラの薄板切板 |
もっと強い、アルミ2024とアルミ7075(A2024とA7075) | A2017より強いです。しかし、強度的には構造用鋼のS45CやS50Cと同程度です。7204の切板 旧7N01 |
快削アルミ2011(A2011) | アルミの中で、切削性の良い材料です。アルミ六角棒 A2011系の鉛対策品 G23丸棒 鉛フリーアルミ快削丸棒 CB156 |
アルミ6063の平角棒とパイプ(A5063) | アルミの平角棒、四角棒、アングル、チャンネル、丸パイプ、四角パイプ、平角パイプが必要な時には、アルミ6063(A5063)を選択します。A6063引抜丸パイプ アルミアングル アルミチャンネル アルミ 平角棒 アルミA6063H型 |
6061(A6061) | 6063の同類ですが、平板と丸棒です。アルミA6061押出丸パイプ アルミ板YH61 YH61スーパー切板 A6061の薄板切板 アルミA6061押出丸パイプ |
溶接するなら5083(A5083) | 溶接構造用合金です。溶接性で比較すると、他も同様だったりします。 |
強さのアルミーゴHard | A7075より強く、S50Cを超える強さ |
2.アルミの序列
強度の序列 強度小:A1050<A6063<A5083<A5052<A5056<A6061<A2017<A2011<A2024<A7075=S45C,S50C<アルミーゴHard:強度大
強度を求めれば、アルミーゴHardになります。
切削性の序列 切削性悪い:A1050=A5083<A5052=A5056=A6061=A6063<A2017=A2024=A7075<A2011:切削性良い
A6061とA6063は粘るようで、キリコが材料に付着するので、嫌う人がいます。
耐食性 耐食性悪い:A2024=A2011=A2017<A7075<A6061<A1050=A5052=A5056=A5083=A6063:耐食性良い
耐食性良好でも、いずれは白く錆びます。クリアラッカーを塗るか、アルマイト処理をしましょう。
溶接性 溶接性悪い: A2011<A2017=A2024=A7075<A1050=A5052=A5056=A6061=A6063=A5083:溶接性良い
3.材料手配の方法
とりあえず、欲しいサイズで問い合せするのがベストです。
アルミの形状:平板、丸棒、角棒、平角棒、丸パイプ、角パイプ、平角パイプ、アングル、アングル、パンチングメタル、縞板
形状 | 材質 | 販売方法 |
平板 | A1050、A5052,A6061,A2017,A2024,A7075,アルミーゴHard アルミ板 アルミ板YH17 アルミ板YH52 アルミ板YH61 1m×2mのアルミ板 YH17スーパー切板 YH61スーパー切板 純アルミ薄板の切板 ジュラの薄板切板 A6061の薄板切板 7204の切板 旧7N01 アルミA1050の調質とサイズ アルミA1100の調質とサイズ A3003-H24の板 KN500に付いて KN520に付いて KN700に付いて アルミ箔 1N30箔 アルミの薄板 | 必要なサイズで寸法切断販売です。厚み3mm以下になると、定板サイズになる事が多いです。 |
丸棒 | A5056,A6061,A2017,A2024,A7075,A2011,アルミーゴHard,時たまA5052 アルミ丸棒 アルミのセンターレス丸棒 A2011系の鉛対策品 G23丸棒 鉛フリーアルミ快削丸棒 CB156 | 直軽が25mm以上ですと、だいたい切断販売です。細いのは定尺になります。 |
角棒 | A6063 アルミ 平角棒 アルマイト平角棒 | 通常定尺販売です。切断販売も有ります。 |
平角棒 | A6063 アルミ 平角棒 アルマイト平角棒 | 通常定尺販売です。切断販売も有ります。 |
パイプ | A6063、時たまA5052、A5056、A2017
A6063引抜丸パイプ A5056押出丸パイプ A2017押出丸パイプ A5052引抜丸パイプ A1070引抜丸管 アルミA6061押出丸パイプ アルミ平角パイプ アルミA5052丸パイプ アルミ丸パイプ製作品 アルマイトのパイプ アルミ引き抜きパイプ製作品 アルミA6061押出丸パイプ |
通常定尺販売です。切断販売も有ります。A5052配管用インチパイプも有ります。 |
アングル、チャンネル、 | A6063 アルミアングル アルミチャンネル アルミA6063H型 | 通常定尺販売です。切断販売もたまに有ります。 |
パンチングメタル | A1050 アルミのエキスパンドメタル | 1m×2m等の定板販売です。でもたまに、切断OKの場合があります。 |
縞板 | A5052、A1100 アルミ縞板 | 1m×2m等の定板販売です。でもたまに、切断OKの場合があります。 |
4.サイズと値段を確認
4-1サイズ
4-2代引とクレジットの販売ページで価格を確認
- A2011相当のアルミ快削KS21丸棒
- 鉛フリー アルミ快削丸棒
- A5056 直径10から29mm
- A5056 直径30から49mm
- A5056 直径50から78mm
- A5056 直径80から100mm
- A5083丸棒 代引き販売
- アルミ丸棒 A2017
- A2024 丸棒
- A7075相当のYH75丸棒
- 純アルミ A1070丸棒
- アルミYH75切板
- アルミ切板A7075
- アルミ切板 A2024
- アルミ切板A2017
- アルミ切板A5052
- アルミ切板A5052高精度圧延材
- A5052アルミ縞板
- アルミ切板 A1050
- アルミ切板 A5083
- アルミ平角パイプ
- アルミ角パイプ
- アルミアングル 等辺
- アルミアングル 不等辺
- アルミチャンネル
- アルミ丸パイプ
掲載以外は、問合せしてください。
5.アルミ選択の考え方
5-1とりあえずとう時
丸棒ならアルミ5056(A5056)です。
板ならアルミ5052(A5052)です。
1m以上の平角棒が欲しいときには、アルミ6063(A6063)です。
5-2形で選択
角棒、平角棒、丸パイプ、角パイプ、平角パイプ、アングル、アングル、パンチングメタル、縞板は、材質の選択がほとんど有りません。その中で、強度が取れるかどうかになります。強度が保てないとなると、ステンレスや鉄鋼製品を覚悟します。強度計算は適当に製作するときには、製作物の壊れ方を考えた形状にしてください。壊れたときには、厚さを増すか、ステンレスや鉄鋼製品で製作してください。
5-3鉄の代替
鉄(SS400)やS45Cの引張強さを考慮すると、アルミ7075(A7075)かアルミーゴHardが適当です。ただ、縦弾性係数や熱膨張係数と形状も考慮してください。詳しくはアルミーゴHardのページで。
6.鉄とアルミの違い
軽量化のためにアルミを使用する時の注意点は、縦弾性係数と熱膨張係数と疲れ強さです。
縦弾性係数
弾性域の応力と歪みの係数で、縦弾性係数は色々なところに関係します。アルミの縦弾性係数はは鉄の1/2から1/3です。鉄と組み合わせて使用するときには、悪さをするかもしれません。注意してください。
熱膨張係数
アルミと鉄は、熱膨張係数が二倍違います。常温で鉄とアルミを組み合わせて、温度を上げるとどちらかが歪みます。限界を超えると、元に戻りません。チタン合金と鉄の熱膨張係数が同程度なので、このような問題が少ないです。
疲れ強さ
鉄関係は、1000000から10000000回の振動を与えると、疲労破壊するか、しないかが決まります。引張強さの1/2程度の振動応力が分岐点と思います。アルミは振動を繰り返せば繰り返すほど、弱い振動で破壊するようになります。この事から、アルミ製部品を激しい振動や長時間使用する時は、使用量の限界を設定して、定期的に交換することを進めます。
7.記号訂正
A5058と記載していましたが、間違いで、A5083でした。訂正しました。2019年8月28日